弁護士の大嶋です。
日常生活にもIT化の波が押し寄せていますが、裁判手続きについてもIT化が進んでいることをご存知ですか?
現在、民事裁判手続きについては、IT化の方向で進んでいます。
IT化、すなわちインターネットを使用して、手続きを行うことができるようにする試みです。
IT化には、
①訴状等の書面や証拠をオンラインで提出できるようにするe提出
②訴訟記録をオンラインで確認し、期日を管理できるようにするe事件管理
③オンライン上で口頭弁論期日(ウェブ会議)などを開催できるようにする、e法廷
の3つの局面があるとされています。
現在、日弁連では、まず③の実施、その後に①、②の開始を目指しており、
③については、第一弾として、2020年2月に、高裁所在地の8地方裁判所と、知財高裁(ただし、東京地裁は21か部、大阪地裁は12か部に限定されています)において、開始されます。
横浜地裁は、第二弾として、2020年5月から開始される予定です。
①、②の実施には、まだ数年かかると言われています。
詳細な部分はこれから確定させていく段階ではありますが、今後オンライン化が進むことで、裁判手続にかかる負担を軽減でき、依頼者にとって、経済的にも、委任する代理人弁護士を場所に関わらず選ぶことができるという意味でも、裁判手続きが利用しやすくなることが期待されます。
e法廷について
現在の実務では、裁判所での期日では、当事者(又は代理人弁護士)が、裁判所に出頭することが原則とされ、遠隔地に居住している場合には、電話会議システムを使用し、裁判所に出頭しなくても、期日を開催できるという運用がなされていました。
しかし、ウェブ会議が可能になると、電話会議を使用できなかった場合でも、裁判所に行かずに、期日を開催できることになり、出頭の負担を減らすことができると考えられています。
ウェブ会議では、裁判所と、原告・被告当事者双方(の代理人)とを、チャットで結び、スカイプのように、音声と画像を共有することで、裁判官や相手方の表情を見ながら、やり取りを行うことができます。
当事務所でも、裁判手続きのIT化に備えて対応して参ります。